【映画データ】
・タイトル:ウィキッド ふたりの魔女
・原題 / 英題: Wicked、Wicked: Part I
・原作:ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」
グレゴリー・マグワイア「ウィキッド――誰も知らない、もう一つのオズの物語」
・制作年度: 2024年
・制作国: アメリカ
・言語: 英語
・監督: ジョン・M・チュウ
・出演者:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ ミシェル・ヨー
・上映時間: 161分
・レーティング: G
・ジャンル: ファンタジー、ミュージカル
【あらすじ】
オズの国では、マンチキンランドの住民たちが西の悪い魔女の死を祝っていた。
そこに空から現れた“善き魔女グリンダ”(アリアナ・グランデ=ブテーラ)が、住民たちに向かって悪い魔女の過去について語り始める……。
数年前。
シズ大学の入学式。
のちの西の悪い魔女こと、エルファバ・スロップ(シンシア・エリヴォ)は、車椅子の妹、ネッサローズ(マリッサ・ボーディ)を入学が決まったシズ大学に連れて行く。
大学の学部長であるマダム・モリブル(ミシェル・ヨー)は、エルファバの無意識の魔法能力を目撃し、個別指導を提案する。
妹の世話係としてやって来たエルファバはこれを受け入れ、シズ大学に入学することにした。
そうして、のちの善き魔女こと、ガリンダ・アップランド(アリアナ・グランデ=ブテーラ)と相部屋になる。
ガリンダは、入学式から目立っていた裕福で、陽気な人気者。
物静かで几帳面なエルファバ。
見た目も性格もまったく異なるふたりは、激しく衝突するが、次第に友情を深め、かけがえのない存在になっていく。
【ナイトの覚え書】
『オズの魔法使い』を原案にしたサイドストーリー『ウィキッド――誰も知らない、もう一つのオズの物語』早川書房(グレゴリー・マグワイア、市ノ瀬美麗訳、上下巻)を原作にした、大人気ブロードウェイミュージカルを前後編に分けて映像化。
「オズの魔法使」(1939)に登場する「善い魔女」と「緑色の悪い魔女」その、悪役だった"西の悪い魔女"を中心に描かれたもの。
映画『オズの魔法使』の物語は、カンザスの農場で暮らす少女ドロシーと飼い犬のトト、自宅が竜巻によって魔法の国オズに飛ばされ、"東の悪い魔女"の上に落ちて、魔女が死んでしまう。
そこに現れた良い魔女グリンダは、東の悪い魔女が履いていたルビーの靴をドロシーに与える。
死んだ魔女の妹である西の悪い魔女は、ドロシーへの復讐を誓い付け狙う。
そして、西の悪い魔女に追い詰められたドロシーは、魔女に水をかけてしまい、魔女は溶けて死んでしまった。
ドロシーは、西の悪い魔女のほうきを盗んでオズの魔法使いに届け、カンザスの家に送り届けてもらう。
『ウィキッド』の物語は、ここからはじまる……。
心が欲しいカカシ、ブリキの木こり、臆病なライオンがどうして生まれたのか。
この作品で明かされる。(というより二次創作に近い気がする)
“善い魔女”グリンダは、いわば“愛される側”の象徴。
自分の魅力や立場を理解している野心家、あざとさ漂わせつつ世渡りの上手なタイプ。
対するエルファバは、排除される側に立ちながらも強い正義感を持つ。
圧倒的な才能を持つけれど、不器用で真っすぐなタイプ。
どちらのタイプもよくいるタイプ。
エルファバは才能と信念ゆえに体制側と対立し、“悪”と呼ばれる道を選ばざるを得なくなり、グリンダと別れるというところで、この作品は終わる。
善と悪は単純に分けられるもんじゃない。
後編の仕上げに期待したい。