【映画データ】
・タイトル:きみの色
・制作年度:2024年
・制作国:日本
・監督:山田尚子
・出演:鈴川紗由 木戸大聖 髙石あかり 新垣結衣
・上映時間:100分
・レーティング:G
・ジャンル:アニメ 青春映画 音楽映画
【あらすじ】
全寮制のミッションスクール「虹光女子高等学校」に通う日暮トツ子(声:鈴川紗由)は、人の感情が“色”として見える少女。
うれしい色、楽しい色、穏やかな色――幼いころから、彼女には世界が色彩で満ちて見えていた。
けれど、自分自身の色だけはわからない。
トツ子は、ひときわ“きれいな色”を感じた同級生・作永きみ(声:髙石あかり)が気になって仕方がなかった。
しかし、きみはある日突然、姿を消してしまう。
退学したと聞き、「本屋で見かけた」という噂を頼りに街を探し回ったトツ子は、古書店できみと再会。
その場に居合わせた男子高校生・影平ルイ(声:木戸大聖)と意気投合し、3人はなりゆきでバンドを組むことになる。
バンド名は「しろねこ堂」。
ルイの家がある離島の古い教会を拠点にして、
どこか頼りなく、それでも確かな音を鳴らし始めるのだった。
ルイの家がある離島の古い教会を拠点にして、3人のバンド活動が始まった。
【ナイトの覚え書】
パステルカラーのやさしい画面。
全体を包む、やわらかな空気。
舞台は長崎。海辺の町の、少し不思議で静かな時間が流れている。
音楽への情熱で青春するタイプの物語ではなく、むしろ「なんとなく」始まるバンド活動が、とても今っぽい。
トツ子はなぜ、“色”が見えるのか? きみがなぜ保護者に内緒で退学したのか?
それらの理由は明確に語られないことが、観客としては少しもどかしいけれど、それもまた青春の曖昧さ?
なんとなく始まり、なんとなく続き、そして、なんとなく終わる。
大きな事件は起こらない。
けれど、確かにそこには言葉にできないふわふわした“あの頃”の空気がある。
バンド「しろねこ堂」の編成は、エレキギター、ピアノ(オルガン)、そしてテルミンという少し珍しい組み合わせ。
浮遊感のあるテルミンの音色が、彼らの揺れる心を象徴しているようだった。
サイエンスSARUらしくない風景のように静かな、青春の断片を描いた作品。
きっとシスターの先生のような大人になるんだろうな、と思わせられた。
【銀幕余話】
モデル地めぐり ― 長崎ロケーション案内
本作の舞台は、長崎市を中心に、佐世保市・五島市・新上五島町など。
海と坂と教会のある町が、物語の空気をつくっています。
■ ドンドン坂(長崎市)
学校の通学路として登場。
グラバー園や大浦天主堂に近い南山手の住宅街にある坂道。
雨の日、排水溝を水が勢いよく流れる音が「ドンドン」と響いたことが名前の由来といわれています。
■ 旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(佐世保市民文化ホール)
3人がバンドとして演奏するシーンで登場。
1923年開館の歴史ある建物で、現在は市民の文化活動の拠点になっています。
レトロな佇まいが印象的。
■ 旧五輪教会堂(五島市)
バンドの練習場として登場。
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ。
静かで神聖な空気が漂います。
■ 有川港(新上五島町)
トツ子ときみがフェリーを見送る場面に登場。
ターミナル内には資料館や多目的ホールもあり、地域の文化拠点となっています。
■赤迫停留所(長崎市)
きみの実家の最寄り停留所
■長崎中通り商店街(長崎市)
トツ子が「しろねこ堂」を探す場面
■黒島天主堂(佐世保市)
学校の教会のモデル
■神戸女学院(兵庫県西宮市)
虹光女子高等学校の校舎モデル
作品の空気を感じながら巡る長崎の旅も、きっと素敵。